建設国債 2011 5 4

 2011年5月3日の朝日新聞で、
大和総研顧問の原田泰氏は、こう書いています。
「財政資金を調達する原則は、
恒常的な経費は恒常的な税収で賄わなければならないが、
一時的な経費は国債で賄ってもかまわないということだ。
震災復興は、一時的な経費であるから、国債で賄っても問題はない。
 さらに、復興投資の乗数効果は、きわめて大きいはずである。
道路や橋を直して全線開通すれば、
物流が回復して生産が急増する。
 たとえば、道路の修復費に対する生産の増加額の比を乗数と呼ぶと、
乗数は5とか10とか、きわめて大きな値になる」
 震災後の復興財源をめぐる言動を見ていると、
菅政権は、すっかり財務省の支配下に入ってしまった観があります。
もっとも、日本のメディアも、似たり寄ったりの状況なので、仕方ありません。
 脱官僚を掲げて政権交代をした民主党政権は、
挙句の果てには、「財務省の支配下」が終着駅だったとは、
誰も予想できなかったでしょう。
 しかし、こういう結果になることは、
最初から見当がついていたのです。
それは、以下の「シンクタンク」を読んでください。

シンクタンク 2011 2 6
 民主党政権の看板だった「脱官僚」。
しかし、本当に、脱官僚を目指すならば、
シンクタンクを育成しておく必要があったのです。
 昔と違って、政治も行政も、複雑化・高度化してしまったのです。
このような複雑化・高度化に対して、
政治家が、ちょっと勉強したぐらいでは、
とうてい太刀打ちできないのです。
これは、学生が一夜漬けで試験に臨むようなものです。
 さて、シンクタンクが整備されていない状態で、
脱官僚をすると、どうなるか。
最初は迷走、次は官僚依存となります。
日本の官僚機構は、権力機関であると同時にシンクタンクでもあるからです。
鳩山政権、そして菅政権、だいたい見当がつくでしょう。
 ところで、日本の官僚機構は、シンクタンクでもあるから、
わざわざ民間のシンクタンクを作る必要はないと考える人もいるかもしれません。
 確かに、日本の官僚は、極めて優れた頭脳集団です。
しかし、彼らは、その優れた頭脳を使う前に、
まず、省の利益、つまり、「省益」を考えます。
国益なくて、省益あり。
これが明治以来の伝統文化です。
 それでも、昔は、国益を最優先で考える官僚が多かったと思います。
いつから変わってしまったのか。















































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